漆画家 安藤彩英子「JAPAN IN ME」展

ベトナム漆画にみる日本らしさ

この度、国際交流基金ベトナム日本文化交流センターでは、日越友好年を記念し、漆画家・安藤彩英子「JAPAN IN ME」展を開催いたします。

ベトナムが誇る漆画芸術「ソン・マイ」(Son Mai)。安藤彩英子は、日本人でありながら、このソン・マイ画芸術と伝統漆芸を学び、ベトナムで18年にわたり創作活動を続けている漆画家です。

彼女の描く作品の多くは、人びとがふだん見過ごしているような自然界の生き物をテーマとしています。豊かな色彩と力強く大胆な構図、そしてベトナム天然漆の性質を活かした複雑な変わり塗りが、目だたない存在であった生き物たちを生き生きと魅惑的に生まれ変わらせています。

また、彼女の作品のもうひとつの特徴は、幾重にも重ねた漆層が立体感や奥行きを感じさせながらも、完璧なまでに平らに研ぎ出されていることにあります。漆画を完全に平らに
研ぎ出すのは不可能だという、ベトナム画家のあいだでの定説を覆しています。

これまで、安藤は、ソン・マイ画の素晴らしさを数々の展覧会やシンポジウムを通じて語ってきました。2000年には外国人として初めて、ハノイ美術協会会員に認定され、海外でのベトナム漆画展には、ベトナムの画家として参加しています。

ベトナム語を流暢に話す彼女は、ソン・マイ画家としてだけでなく、ベトナムの文化を深く理解していることでも知られており、テレビや雑誌などに登場することも少なくありません。しかしながら、それは常に、安藤の「ベトナム的」な要素・部分に注目してのことでした。

他方で、ベトナムで漆の世界に入り、ベトナムの技術や素材・道具にこだわって創作してきた安藤の作品には、それでもなお、日本人ならではの感性がにじみ出ていると、ベトナムの美術関係者は評しています。

そこで本展覧会では、これまでとは逆に、安藤の日本人としての美意識や哲学に焦点をあて、新しい切り口で彼女の漆画作品を展観するとともに、彼女の漆画世界に見えてくる日本人の精神、習慣、嗜好、ベトナム漆芸術と日本漆芸術の共通点・相違点など、日越の比較の視点から、彼女がわかりやすく解説したテキストを紹介いたします。

ベトナム人が慣れ親しんだソン・マイ画だからこそ浮き彫りにされる、日本人の魂(Soul)を、この機会に是非、ご堪能ください。(入場無料)

sfs

漆画家 安藤彩英子「JAPAN IN ME」展


【会期】 2013年11月9日(土)~12月1日(日)
[開館時間=09:00~18:00、会期中無休]
※初日のみ10:00~
※入場無料
sfs
【会場】 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
(27 Quang Trung, Hoan Kiem, Hanoi)
sfs
【オープニング】 2013年11月9日(土)10:00~
<オープニングイベント>
・鈴木秀生公使(在ベトナム日本国大使館)来賓ご挨拶
・アーティストトーク(安藤彩英子)
・KOKコーヒーによる無料コーヒーのご提供

安藤彩英子
www.andosaeko.com

漆画家(ハノイ在住)

1968年 愛知県生まれ

1992年 早稲田大学第一文学部哲学科卒業

在学中は東洋哲学と日本の文化・芸術を研究する。卒業と共に日本航空入社。客室乗務員として世界各地を訪れ、多種多様な芸術に刺激を受ける。1994年に退社し、画家を志す。1995年、ベトナムに移住し、漆画家チン・トアン/Trinh Tuan氏に師事して現代漆画技法を学ぶ。その後、漆芸家ゾアン・チー・チュン/Doan Chi Trung氏の工房で漆画技法はもとより、漆の精製から、下地製作、塗り、研ぎ磨きといったベトナム伝統漆芸技法を習得する。2000年には外国人としては初めてハノイ美術協会会員に認定された。漆画家としてベトナム国内外での展覧会を通して作品を発表するとともに、ベトナムや日本をはじめとするアジア諸国の漆芸研究家としても講演や発表活動を続けている。

関連イベント

2013年11月17日(日)
@ベトナム日本文化交流センター
(27 Quang Trung, Hoan Kiem, Hanoi)

14:00 – 14:40
講演「日本漆工芸の現在とその芸術性について」
笹井史恵(日本漆芸家)
日本の現在の漆工芸は、職人が主体の工芸・民芸品と、工芸作家が主体の芸術作品に、大きく分類される。こうした現代日本の民芸品や芸術作品を日本漆芸の歴史や技法なども交えて紹介する。作り手の違いによる作品にこめられるコンセプトやメッセージが、作品の「表現」として成立し、そこに芸術性の価値が生じて、民芸品と芸術作品が区別される。工芸作品の芸術性の意味についても考えていきたい。

14:50 – 15:30
対談「JAPAN IN ME ~漆芸術から見えてくる日本~」
安藤彩英子(ベトナム漆画作家)×笹井史恵(日本漆芸家)
長い歴史の中で漆を芸術の域まで高めてきたベトナムと日本。ベトナムとは大きく異なる形で発展を遂げた日本の漆芸はこの国の人たちにはどのように映るのだろう。ベトナムの素材と技法を使いながら、日本人としての感性が滲み出る安藤の漆画世界。展覧会「JAPAN IN ME」で彼女が解き明かすその秘密は、日本とベトナムの漆芸の違いを解き明かすヒントになるのだろうか。日本漆芸の特質を日本漆芸界で活躍する笹井と、漆画家であり漆芸研究家である安藤が歴史的、文化的、そして精神的な背景に触れながら参加者と共に考えていく。

15:30 – 16:30
お茶会 ~「京都工芸の精華」展参加陶芸作家の創作茶碗で楽しむ日本の茶道~
竹葉茶道クラブ(薮内流)

※上記いずれも使用言語は日本語(ベトナム語逐語通訳付)
※上記いずれも入場無料。事前申し込み不要。


笹井史恵/SASAI Fumie
京都在住 日本漆芸家

1973年、大阪府に生まれる。1998年、京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了。2003~05年、タイのチェンマイ大学にて研修。「京都工芸の精華」展参加作家(2013年11月11~23日までベトナム美術博物館で開催中)。現在、京都市立芸術大学専任講師を務めている。


その他同時開催事業
2013年11月17日(日)より、「JAPAN IN ME」展同会場(ベトナム日本文化交流センター)にて、ブット・タップ寺千手千眼観世音菩薩坐像をハノイ在住の55人が力を合わせて描いた漆画(企画運営:UZUギャラリー)の展示が始まります。合わせて、お楽しみください。
.
作品写真

【問合せ先】

国際交流基金ベトナム日本文化交流センター(担当:吉岡)
27 Quang Trung, Hoan Kiem, Hanoi│TEL(携帯)+84-(0)123-384-4138
Email:norihiko_yoshioka@jpf.org.vn


Views: 3,094
コメント


0 コメント

レンダー
  • [事務室営業時間] 08:30 – 12:00 / 13:30 – 17:30
  • [図書館営業時間]     09:30 – 12:00 / 13:00 – 18:00
  • [展覧会営業時間]    09:30 – 18:00
去のイベント