所長からのご挨拶

ご挨拶

‐国際交流基金ベトナム日本文化交流センター設立10年の機会に‐

GD

国際交流基金ベトナム日本文化交流センターは2008年3月にベトナム、ハノイに設立されました。2018年3月で、活動を開始してからちょうど10年となりました。

国際交流基金は、日本と海外の国際相互理解の増進に努め、文化芸術交流の活性化、日本語教育の支援、日本研究・知的交流の促進を目的として活動を行ってきました。「文化」と「言語」と「対話」に関する活動を通じて、日本の友人をふやし、日本と世界との絆をはぐくむことができればと考え、活動を行っています。

2008年3月からここまでの10年間、ベトナム日本文化交流センターはベトナムのたくさんの関係者、関係機関の皆様より、温かいご支援をいただき、様々なご協力をいただきました。心より御礼を申し上げます。

そして、この10年は、ちょうどベトナムと日本の関係が拡大し、また、深まってきた10年です。ほんの少し具体的な数字で見てみましょう。

〇ベトナムで仕事をする日系企業の数 2008年    950社 ⇒ 2016年  1,687社(1.8倍)

【外務省「海外在留邦人数調査統計 平成29年度版より】

〇ベトナムからの日本訪問者数    2008年 37,794人 ⇒  2017年 308,898人 (8.2倍)

【日本政府観光局(JNTO)公表資料より】

〇ベトナムから日本への留学者数   2008年度 2,873人 ⇒ 2017年度 61,671人(21.5倍)

【独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「外国人留学生在籍調査結果」より】

ベトナムで仕事をする日本の会社が増える、ベトナムから日本へ行く人が増える、ベトナムから日本へ留学する学生が増える、ということは、両国間のヒト、モノ、お金、情報の行き来の数量が大きくなっているということです。それは、同時に、政治・外交、経済、学問、芸術等あらゆる分野おいて、両国の社会に及ぼす影響が双方向に深まっていることを表していると言えるでしょう。

例えば、ベトナム日本文化交流センターの重要な業務である日本語教育の分野では、次のような変化が見られます。

〇ベトナムの日本語学習者数     2009年   44,272人 ⇒ 2015年  64,863人(1.5倍)

【国際交流基金「海外の日本語教育の現状」より】

〇日本語能力試験(JLPT)受験者数 2008年度 13,856人 ⇒ 2017年度 71,242人(5.1倍)

【国際交流基金「日本語能力試験結果の概要」より】

日本語学習者の数の増加とともに、学習目的・動機も多様化しています。それだけに、日本語学習者がそれぞれの目標を実現するための質を伴った教育が行われることが、ますます大切になっています。

そうした中、今後ベトナムの日本語教育の場において、ますます重要になるのが、「自律的な学習者中心の日本語教育」だろうと思います。それは、学習者側の姿勢・取組の問題であるだけでなく、教師側の考え方・教育方法の問題であると思います。このような新たな課題に対応できるように、ベトナムの教育関係者、教師の皆様とともに、取り組んでいきたいと思います。

日本語教育でのさまざまな試みを通じて、ますます重要なパートナーとなるベトナムと日本の両国をつなぎ、グローバル社会を平和で豊かなものにしていくことに貢献できる人材の育成に少しでも役立ちたいと考えています。

また、文化芸術交流の分野でも、日本の多様な文化をベトナムの皆さんに紹介するため、日本映画祭の開催、音楽コンサート、ダンス等の舞台公演の実施、日本文学作品等のベトナム語への翻訳出版支援等行ってきました。同時に、日本とベトナム、あるいは、広くその他のアジアの国・地域の芸術家、文化人の間での協力、協働を促進する事業を重視してきました。

例えば、2018年3月には、ハノイの青年劇場で、日本人のディレクターのもとで、日本人5名、ベトナム人4名のパフォーマー(ダンサー)が一緒に創り上げた作品を上演しました。日本人ディレクターが2015年に1か月ほどハノイに滞在したことが契機でした。ベトナムの社会や人々に触発され、新しい作品を作りたいと考え、ベトナム人パフォーマーのオーディションを行い、ワークショップを実施して、作品に対する理解を共有し、2017年の9月には日本での公演を行いました。その後も検討を重ねて、ベトナム・ハノイでの公演が2018年3月に実現しました。2年以上の歳月にわたる日越芸術家の相互理解、共感、創造への熱意が作品として結実したということです。

このように協働創造の実現には、時間も労力もかかりますが、ベトナム日本文化交流センターとしては、今後も力を注いでいきたい事業です

活動10年の節目にあらためて思うことは、これから先の5年、10年、20年も、ベトナムとの間で、双方向の交流を一層強化し、情報や意見を交換、共有しあい、協働作業を行うことによって、新しい文化や価値を創造していきたいという目標です。そしてそれをベトナムの多くの皆様とともに実施していきたいという希望です。

2018年は日越外交関係樹立45周年の年でもあります。日越両国の関係が深まり、両国の間に、また、両国の人々の間に、パートナーとしての相互の信頼感が一層深まるような文化交流活動を展開していきたいと気持ちを新たにしています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

2018年3月

国際交流基金

ベトナム日本文化交流センター

所長 安藤敏毅

レンダー
  • [事務室営業時間] 08:30 – 12:00 / 13:30 – 17:30
  • [図書館営業時間]     09:30 – 12:00 / 13:00 – 18:00
  • [展覧会営業時間]    09:30 – 18:00
去のイベント